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猫泥棒と木曜日のキッチン

猫泥棒と木曜日のキッチン 人気ランキング : 4,976位
定価 : ¥ 1,260
販売元 : メディアワークス
発売日 : 2005-08
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 1,260
本の題名で「買わない」と決めないでほしい。

まずはタイトルの通り、題名で買わないと決めないでほしい。「猫泥棒と木曜日のキッチン」という題名から、橋本先生の作品を知らない人はあまりい印象は受けないと思う。
けど、この本はそんな風に決め付けてしまうにはもったいなすぎるぐらい良い作品だと私は思います。
今を生きる平穏な日々。そんな中の<家族>という存在。また<当たり前>に手足を動かせること。健康に暮らせること。この本の内容はそれらのどれかが欠けている登場人物達の話です。
しかし、それらは私達人間だけが求めるものなのでしょうか?人間だけがそうあるべきものなのでしょうか?
小さな命の尊さ。それなのに、命は重いはずなのに、本当はとても軽かった。
人それぞれ受け方は違うけど、もし「これが自分だったら?」とその場面ごとに自分を照らし合わせ、想像して読めば、きっと同じようなことを感じると思います。そして「猫泥棒と木曜日のキッチン」という意味もきっとわかるはずです。
再度言いますが、題名だけで買わないと決め付けないでください。こういう話は苦手だ、あまり好きじゃない、という方には無理してオススメしませんが、そんな方でも、またそれ以外の方でも読んでほしいと思う作品です。

新しい才能

 気がつくと電車を乗り過ごしていた。降りて引き返した方が早い。しかし、ええいかまうものかと思った。このまま山手線を一周してしまえ。読み終えて顔を上げた。車窓に平凡な町並みが広がっていた。猫泥棒の少女と少年がそこにいる気がした。悔しくなった。なぜわたしは彼らと同じ食卓を囲んでいないのだろう。
 主人公は17歳の高校生みずき。彼女の視点がみずみずしい。交互に健一によるパートがある。こちらは情熱的(ホレました!)。佐藤多佳子の『黄色い目の魚』と似た構造。橋本紡という耳慣れない作家は佐藤多佳子以上の技量でこの手法を使いこなす。それぞれの視点にわずかな齟齬がある。それが登場人物自身も気づいてない彼らの内面を鮮やかに描き出している。
 不思議な物語である。登場人物は皆なにかを喪失している。みずきは父親と母親。健一は左足の自由。それでも彼らはハンディキャップを乗り越えて確かな一歩を踏み出していく。彼らの歩みはたどたどしい。痛々しい。なのになぜかとても温かい。
 この本を読んでいる瞬間は至福そのものだった。残り少なくなるページに脅えた。特に最終章の見事さには舌を巻く。これほど優しいエンディングは滅多に読めるものではないだろう。

珠玉の青春小説

 母親が家出し、残されたのは17歳の少女と5歳の弟・・。あえて分類するなら育児放棄小説ということになるか。しかしこれが不思議と優しい物語になっている。少女はその境遇にめげることなく、子供だけの「家族」を新しく作り上げる。
 「家族」とは「命」とはなんだろうか。
 悲惨になりそうな話をまったく悲惨ではない軽やかな青春小説にしている著者の力に恐れ入る。
 今年ナンバー1の青春小説かもしれない。

感動!!

橋本紡ファンの方々も、橋本さんの本を読んだない方にでもお勧めできる本です。
ハードカバーなのでちょっと値段は高めですが、読んでみる価値はあると思います!!
命について、恋について綴られていて感動できる本だと思います。

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