かって魯山人は「器は料理の着物である」と申されました。盛る器によって同じ料理でも全く印象が変わってしまうものです。
あなたなら、どんな器にどんな料理を盛られますか!
バルセロナの厨房から
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料理の知識は得られるが |
東京吉祥寺で「ドス・ガトス」というスペイン料理店を経営する著者が、典型的なスペイン料理について綴った書。
著者は若かりし頃にバルセロナで料理修行をした経験があり、その頃のエピソードがところどころに出てきますが、基本的にはスペイン料理の基礎の基礎を説明した軽い読み物といえます。
写真が一枚も掲載されていませんし、そもそもスペイン料理の香りや味が文章から立ち上がってくることがありません。ぜひ食べてみたいと思わせるほど、読者をぐいぐい引っ張る力がないのです。文章に深みや味わいはありません。エッセイとしては凡庸な出来です。
類書がいくつもある中で、スペイン料理を知るにはぜひこの一冊を、とはおよそいえません。旅だつ前に、スペイン料理について”知識”を蓄えるために手にするには悪くありませんが、それ以上でもそれ以下でもありません。
なお、「いかの墨煮」を意味するスペイン語の綴りに誤りがあります。(97頁)
正しくは「Calamares en su tinta」です。
最後に、スペイン料理を食べてみたい、と強く思わせるような書として以下のものをご紹介しておきます。
「フラガ神父の料理帳―スペイン家庭の味」(文化出版局)
「タパス―みんなでつまむスペインの喜び」(文化出版局)
「ピンチョス―楽しい、おいしい、新しいスペインのフィンガーフード」(文化出版局)
「スペインの食卓から 」(講談社文庫)

